大学・学校法人の実務者のためのIT比較メディア

比較 教務・学務

大学の教務・学務システム比較|履修・成績・学籍

大学の教務・学務システムをGAKUEN RX・CampusSquare・Campus-Xs・Campus Plan 学務シリーズの4製品で比較。学籍・履修・成績・卒業判定、ポータル・LMSとの境界、契約範囲を公式の記載で整理します。

この記事の内容
  1. 大学の教務システム比較の結論:教務・ポータル・LMSの境界を分けて見る
  2. 比較表
  3. 教務・学務システム4製品の解説
  4. 教務システムの更新で確認する項目
  5. よくある質問
  6. まとめ

教務・学務システムは、学籍・履修・成績などの情報を管理する基幹システムです。正式な成績や卒業判定をどの製品が管理するかは、製品の構成によって異なります。この記事は、GAKUEN RX「教務」(UNIVERSAL PASSPORT RXとの組み合わせ)・CampusSquare・Campus-Xs・Campus Plan 学務シリーズの4製品を、学籍、履修、成績、卒業判定、学生ポータル・LMSとの連携、契約範囲という比較軸で、各社の公式サイトと公式資料に書かれている範囲だけを使って整理します。順位や推奨は付けません。

大学の教務システム比較の結論:教務・ポータル・LMSの境界を分けて見る

本記事では、機能領域を次の3つに分けて扱います。ポータル画面やLMSがあることだけで、教務・学務システムの代替とは扱いません。

教務・学務システムと周辺システムの境界(本記事上の整理)

教務・学務

  • 学籍、履修、正式な成績・単位、卒業判定

学籍・履修・成績情報を管理

学生ポータル

  • お知らせ、各種申請、履修登録などの入口

教務と一体の製品も、別製品の構成もある

LMS

  • 教材、課題、小テスト、授業中の学習活動

履修者データの受け渡しと、正式成績への反映方法を確認する

分類は本記事上の整理です。各製品の構成は下の解説と比較表を参照してください。

公開情報で比べてわかるのは、次の3点です。

  • 製品の構成単位が異なる:GAKUEN RXは職員が使う事務システムで、学生・教員が使う履修登録・成績入力・ポータルは別製品のUNIVERSAL PASSPORT RX側の機能として案内されています。比較表ではこの2製品を1列にまとめています。CampusSquareはサブシステムを選んで導入する構成、Campus Plan 学務シリーズは個別のシステムを組み合わせる構成です。Campus-Xsは「事務」と「学修支援」の区分で機能が示されています。
  • 成績の承認・訂正と、入学年度別カリキュラムは、本記事で確認した4製品の公式資料に明記がない:成績は入力や管理の記載までで、承認の手順や訂正履歴の扱いは書かれていません。カリキュラムは、柔軟な設定やサブシステム名の記載にとどまります。比較表のカリキュラムの行が「確認中」になるのはこのためです。
  • 4製品とも、公式事例に国立大学法人が含まれる:私立大学や、公立大学法人が設置する大学の事例の掲載状況は製品ごとに異なります。

教務・学務システム4製品の解説

GAKUEN RX「教務」+UNIVERSAL PASSPORT RX(日本システム技術株式会社)

GAKUEN RXは大学向けの事務システムで、教務ページでは「入学前から卒業後までの学籍情報を一元管理できる」とし、「科目配当や履修、成績、各種判定において細かな設定を行うことができます。」と説明しています。成績証明書や卒業証明書など約100帳票に対応するとしています。学生・教員が操作する履修登録や成績入力、シラバスはポータル製品のUNIVERSAL PASSPORT RX側の機能として案内されており、定員のある授業での抽選履修登録にも触れています。LMSにあたる授業支援も同製品側で、「ポータルシステムと一体化した授業支援システム」と説明されています。パッケージの価格体系は、在学生数ではなく収容定員数による「学生数ライセンス」とFAQで説明されています。

公式の導入事例に、東北大学(事例中に「国立大学法人」の記載あり。GAKUEN RXとUNIVERSAL PASSPORT RXの両方を導入)と、私立の摂南大学(学校法人常翔学園)があります。摂南大学の事例では、成績処理と進級・卒業判定処理を旧システムと新システムで並行して実行し、処理結果が一致したことを確認したと紹介されています。卒業判定の行は、この事例の記載を根拠にしています。

CampusSquare(日鉄ソリューションズ株式会社)

大学向けの教務事務システムで、入試・学籍・履修・成績・判定・奨学金などのサブシステムから、大学ごとに必要な機能を選んで導入する構成です。ソリューション紹介では、申請ワークフローで申請が承認された時点で休学・復学・退学処理などが実行されると説明しています。LMSの導入に加えて、現在使っているLMSへのデータ連携にも対応できるとし、OneRosterへの対応を記載しています。構築はオンプレミス、大学が契約するクラウド、同社提供のクラウドサービスの3種類で、SaaS型の「CampusSquare S Edition」もあります。

製品サイトには、全国の大学等100校以上への導入(2023年時点)とあります。2026年8月には、国立大学法人埼玉大学の教務事務システムをCampusSquareへ刷新したと発表しています。「判定」サブシステムが卒業判定を指すかは公式に明記がないため、比較表では「確認中」としています。成績は機能ラインナップに「成績」「定期試験」サブシステムがあり、承認や訂正の手順は書かれていません。

Campus-Xs(富士通Japan株式会社)

大学向けの基幹サービスで、製品資料では教務を含む「事務」と、LMSにあたる「学修支援」に分けて機能が示されています。提供形態はSaaSです。教務の説明では、Web上での履修登録や成績登録を支援し、「授業や卒業判定条件の設定が柔軟に行え」るとしています。製品資料には「教務システムとLMSを統合したことで、煩雑な連携処理が不要になり」とあります。

公式の事例資料には、私立の大阪体育大学(学校法人浪商学園)、公立大学法人旭川市立大学、国立大学法人香川大学などの導入例があります。

Campus Plan 学務シリーズ(株式会社システム ディ)

学校事務トータルシステム「Campus Plan」のうち、学籍教務情報システムなどで構成される学務系の製品群です。Web履修申請システムは申請内容を必修・選択などを考慮してリアルタイムにチェックし、Web成績登録システムは教員がWebで成績を登録でき、Excel形式の成績情報のインポートにも対応すると説明しています。公式は「システム1つからでも、シリーズ一式でも」導入できるとしており、統合認証と他社LMSとの連携はオプションとして案内されています。クラウドの標準サービス(Campus Plan Smart Cloud Standard)の仕様書には「本サービスはカスタマイズに対応していません。」とあり、FAQではオンプレミスやプライベートクラウドではカスタマイズが可能と案内しています。

公式の導入事例に、国立大学法人高知大学への学務系システムの導入(2023年9月本稼働)があります。導入実績は「【学務】シリーズ380校以上」と表示されていますが、大学以外の学校を含む累計です。卒業判定の記載は見つからず、比較表では「確認中」としています。

教務システムの更新で確認する項目

公式に記載のない項目は、資料請求や説明会で次の形に分けて尋ねると、製品間の違いが比べやすくなります。

  1. 学則・カリキュラムの表現:入学年度別の卒業要件、多学期、履修制限、再履修、単位認定を、設定で表現できるか。個別開発になる範囲はどこか。
  2. 学籍と履歴:休学・復学・転学部・退学などの異動を履歴として保持できるか。大学院生や科目等履修生など、正規の学部生以外をどう扱うか。
  3. 成績の確定と訂正:入力、締切、承認、確定後の訂正の各手順と、訂正履歴・権限の分け方。
  4. 連携:LMSへ渡す履修者・科目・時間割のデータと方式、LMS側の評価を正式成績へ反映する方法、学内認証との接続、証明書発行。
  5. 繁忙期と移行:履修登録期間の同時アクセス、旧カリキュラムや過年度の学籍・成績の移行範囲、障害時の業務継続。
  6. 契約範囲:基本とオプション・追加プロダクトの境界、設定と個別開発の境界、保守・更新の条件、契約終了時のデータの扱い。

よくある質問

学生ポータルやLMSを入れれば、教務システムは不要になりますか

本記事では、ポータル画面やLMSがあることだけで教務・学務システムの代替とは扱っていません。正式な成績・単位・卒業判定をどのシステムで管理するかは、製品の構成と学内の運用で決まります。たとえばGAKUEN RXのFAQでは、GAKUENとUNIVERSAL PASSPORTのどちらを導入する場合も「それぞれの教務プロダクトのご導入が必須となります。」と案内しており、ポータルシステムのみを導入している事例もあるとしています。

まとめ

GAKUEN RX(UNIVERSAL PASSPORT RXとの組み合わせ)・CampusSquare・Campus-Xs・Campus Plan 学務シリーズは、いずれも履修と成績、学生ポータルに関する記載があります。LMSは、ポータルと一体の授業支援(UNIVERSAL PASSPORT RX)、LMSの導入と既存LMSへの連携(CampusSquare)、教務との統合(Campus-Xs)、他社LMSとの連携オプション(Campus Plan)と扱いが分かれます。違いは、製品の構成単位(別製品の組み合わせ、サブシステムの選択、事務と学修支援の区分、個別システムの組み合わせ)と、卒業判定や学籍の異動について公式に書かれている範囲にあります。成績の承認・訂正と入学年度別カリキュラムは本記事で確認した公式資料からは比べられないため、学則・学籍・成績・連携・移行・契約範囲の6項目を同じ形式で各社に確認すると比較しやすくなります。

比較表

表示するサービス

全4件(名前順・順位ではありません)

※ 表は横にスクロールできます。

Campus Plan 学務シリーズ、Campus-Xs(キャンパスクロス)、CampusSquare(キャンパススクエア)、GAKUEN RX「教務」+UNIVERSAL PASSPORT RXの比較(公式情報に基づく。「確認中」は公式サイトで確認できていない項目)
項目 Campus Plan 学務シリーズ 株式会社システム ディ Campus-Xs(キャンパスクロス) 富士通Japan株式会社 CampusSquare(キャンパススクエア) 日鉄ソリューションズ株式会社(開発:日鉄ソリューションズ九州株式会社) GAKUEN RX「教務」+UNIVERSAL PASSPORT RX 日本システム技術株式会社
基本情報
料金(月額換算)要問い合わせ(利用料金の金額は公式に記載なし)要問い合わせ(公式に金額の記載なし)要問い合わせ(公式に金額の記載なし)要問い合わせ(公式に金額の記載なし)
種類学務システム(学校事務トータルシステム「Campus Plan」の学務シリーズ/パッケージ・クラウド)大学向け基幹サービス(SaaS/教務を含む大学事務+学修支援)教務・学務システム(大学向けパッケージ/SaaS型 S Edition)教務・学務システム(大学向けパッケージ/サブスクリプション)
対象の設置形態「私立・国公立大学向け」(Campus Plan全体の公式表記。導入校数は大学以外の学校を含む累計)「大学向け基幹サービス」(公式事例に国立大学法人・公立大学法人・学校法人の大学を含む)「大学業務に特化した教務事務システム」(公式表記「国公立・私立大学を含む100校以上の導入実績」)「大学向け総合パッケージシステム」(公式FAQでは、高等学校は利用不可、専門学校は運用をパッケージに合わせることで利用可)
提供形態クラウド/オンプレミスクラウドクラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミス
機能・対応
学籍異動(休学・復学等)の処理 確認中確認中対応確認中
履修登録 対応対応対応対応
成績管理 対応対応対応対応
卒業判定 確認中対応確認中対応
入学年度別カリキュラムの管理 確認中確認中確認中確認中
学生ポータル 対応対応対応対応
LMSとの連携 対応対応対応対応
契約・導入実績
無料プラン 確認中確認中確認中確認中
無料トライアル 確認中確認中確認中確認中
法人契約 確認中確認中確認中確認中
SSO 対応対応対応対応
大学・学校法人の公式導入事例 ありありありあり
自治体・教育委員会の公式導入事例 確認中確認中確認中確認中

○=公式サイトの記載で確認できた ×=公式に非対応(または無し)と確認できた ? 確認中=公式情報で確認できていない(非対応とは限りません) — 該当なし=その種類のサービスには当てはまらない項目。事例の行は「公式サイトに事例掲載があるか」で、利用実績の有無ではありません。確認日は記事末尾の出典一覧。「確認中」の項目は導入チェックリストでベンダーへの確認項目として書き出せます。

この分野の導入チェックリストを開く(ベンダーへの質問と学内で決める項目。製品を選ぶと未確認項目も表示されます)

出典・参考情報

導入や学内ルール作りの支援(運営会社・初回相談は無料)は導入相談のページをご覧ください。