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比較 財務会計

研究費管理システム比較|執行管理の要件と対応範囲

科研費・受託研究費の執行管理システムを、専用システム(科研費プロ等)、予算管理システム(Dr.Budget)、財務会計に内包する製品(GrowOne・財務プロ)に分けて、公式に確認できた対応範囲と要件を整理します。

この記事の内容
  1. 結論:研究費管理を「どこで」扱うかを先に決める
  2. 比較の前提
  3. 専用システム
  4. 予算管理システム
  5. 財務会計に内包する製品
  6. 確認項目:研究協力課・経理の比較軸
  7. よくある質問
  8. まとめ
  9. 比較表

科研費・受託研究費・寄附金の執行管理は、財源・課題ごとの残高管理を伴い、必要な帳票(収支簿・実績報告書など)は資金制度や契約ごとに異なります。文部科学省の公的研究費ガイドラインが求める発注・検収の分離や証跡の管理もあり、Excelと財務会計の組み合わせで運用している大学ほど、研究協力課と経理の手作業が積み上がります。

この記事では、研究費の執行管理を扱うシステムを「専用システム」「予算管理システム」「財務会計に内包する製品」の3つに分け、公式サイトで確認できた対応範囲を比較します。製品の順位や推奨は付けません。

結論:研究費管理を「どこで」扱うかを先に決める

  • 財務会計の中で扱う:財務会計システム自体が研究費のプロジェクト管理を持つ製品(国公立向けのGrowOne 財務会計、私立向けの財務プロのWeb研究費オプション)。会計と執行管理を一つの製品で扱う構成で、機能は財務会計の更新に依存する
  • 専用システムを置く:科研費の採択課題の一括登録、執行状況の照会、報告データ作成、収支簿出力までを専用に持つ製品(科研費プロ、ジャスウィルの科学研究費システム)。財務会計との連携は科研費プロがオプションとして公式に記載し、科学研究費システムは公式に記載がないため確認事項
  • 予算管理システムで扱う:発生源からの予算申請・執行・電子承認を扱うシステムに研究費別の予算管理を載せる構成(Dr.Budget。科研費の報告書は同社の別製品Dr.Reportsが担う)
  • 研究者がWebで残高と執行状況を見られるか、報告書の様式を出せるか、検収記録を残せるかは、自機関で要件にするかどうかを確認する項目になる

比較の前提

  • 対応の有無は公式サイトの記載だけを根拠にしています。「確認中」は公式に明記がない項目で、非対応という意味ではありません
  • 価格は5製品とも公式に非掲載または問い合わせ制です。科研費プロは「従量課金制で1課題から導入可能」、科学研究費システムは「サーバ不要、導入費ゼロ、クラウド版」と公式に記載があります
  • 私立(学校法人会計基準)と国公立(国立大学法人会計基準等)で財務会計の製品は分かれますが、研究費管理の専用システムは会計基準への対応を公式に明記していない製品が多いため、比較表では該当なしまたは確認中としています

専用システム

科研費プロ(株式会社エデュース)

学校法人向け業務システムACOfficeシリーズの科研費管理システムです。公式ページには、科研費電子申請システムからダウンロードしたデータで採択課題を一括登録できること(前年度繰越・延長・前倒しに対応)、研究者がWeb画面で執行状況をリアルタイムに確認できること、科研費電子申請システムへの提出報告データの作成と印刷用報告書・収支簿の出力、支出申請から決裁までのワークフローをWeb上で確認できることが記載されています。科研費以外の外部資金(厚生労働科学研究費補助金、個人研究費など)にも対応します。

オプションとして「財務会計システム連携」(支出情報を連携して二重登録を不要にする。既存の財務システムにより個別見積り)、「その他研究費管理」「応募情報管理」「ファイルアップロード」が公式に案内されています。導入実績は「全国約200機関」で、立命館大学(科研費・受託研究費・寄附金の一元管理)と大阪経済大学の事例が公式に掲載されています。提供形態(クラウド/オンプレミス)とe-Radとの連携は公式ページに明記がなく、確認中です。

科学研究費システム(TriR Campus)(株式会社ジャスウィル)

予算管理・伝票起票・決裁・支払・報告書用データ出力を一元管理するシステムで、執行額・残高のリアルタイム参照、決裁ルートの柔軟な設定、基金化(複数年)への対応、文部科学省・厚生労働省の補助金への対応が公式に記載されています。「サーバ不要、導入費ゼロ、クラウド版」の記載があります。価格、大学の導入事例、会計基準への対応、e-Rad連携は公式サイトで確認できませんでした。

予算管理システム

Dr.Budget(株式会社エヌ・ビー・ソリューション)

大学や研究所など予算管理が必要な組織向けの発生源Web予算管理システムです。事業別・プロジェクト別・研究費別の予算管理、予算残高のリアルタイム参照、電子承認(承認・否認・差戻し)、発注日・納品日・検収日の管理、Amazonビジネス連携(公式ページの記載では、入力時にAmazonから商品を選択して調達)、他社会計システムとの連携を想定したデータベース構造が公式に記載されています。導入実績は機関種別の件数(合計98機関:総合大学17、文系44、理工系13、医科系16、芸術系1、短大2、中高法人2、独立行政法人2、大学校1)で、個別名は非掲載です。

科研費の収支簿・実績報告書の作成は同社の別製品「Dr.Reports」が担い、Dr.Budgetとの連携、e-Rad(府省共通研究開発管理システム)のデータ取込、科研費電子申請システムへの報告データ出力、厚生労働科学研究費補助金・AMEDの様式、内部監査・会計監査用帳票が公式に記載されています。Dr.Budget自体は財務会計ではないため、会計基準への対応は公式に確認できません。

財務会計に内包する製品

GrowOne 財務会計(国公立大学法人・独立行政法人向け)(株式会社ニッセイコム)

国立大学法人の財務会計として「国立大学法人では全86大学中65大学で導入」(2025年12月現在、ベンダー掲載値)と公式に記載されている製品で、研究費管理は独立製品ではなく財務会計の業務範囲に含まれます。公式ページには「受託研究や科研費等をプロジェクトとして個別管理」し、予算執行を財源・目的・所管の3区分で管理することが記載されています。Amazonビジネス連携オプション(2024年10月提供開始)と電子決裁オプションがあります。財務会計そのものの比較は大学法人の財務会計システム比較をご覧ください。

財務プロ(ACOffice)(株式会社エデュース)

私立大学・学校法人向けの財務会計システムで、Web財務のオプション「Web研究費」により個人研究費・受託研究費の残高を研究者単位で見える化できること、Amazonビジネス連携オプションがあることが公式に記載されています。科研費の申請データ連携や報告書作成は同シリーズの科研費プロが担う構成です。財務会計としての比較は学校法人会計システム比較をご覧ください。

確認項目:研究協力課・経理の比較軸

  1. 財源の範囲:科研費だけか、受託研究・共同研究・寄附金・学内研究費まで一つのシステムで扱うか。科研費プロは「科研費以外の外部資金にも対応」、Dr.Budgetは「研究費別の予算管理」、GrowOne 財務会計は「受託研究や科研費等をプロジェクトとして個別管理」と公式に記載
  2. 申請・報告データの連携:科研費電子申請システムからの採択課題の取込と、報告データの出力。公式に記載があるのは科研費プロとDr.Reports。e-Radデータの取込を明記しているのはDr.Reports
  3. 研究者向けの画面:研究者がWebで残高・執行状況を確認できるか。研究者からの問い合わせ対応の負担に直結する
  4. 発注・検収の記録:公的研究費ガイドラインが求める発注・検収の分離と証跡を、どの機能で担保するか。発注日・納品日・検収日の管理を明記しているのはDr.Budget
  5. 財務会計との連携方式:専用システムを使う場合は、支出データの連携が標準か個別開発か(科研費プロの財務会計連携は既存システムにより個別見積り)
  6. 外部ECとの連携:Amazonビジネス等からの購入データ取込。公式に記載があるのはDr.Budget、GrowOne 財務会計、財務プロ(科研費でAmazon・モノタロウを使うときのルール
  7. 費用の構造:従量課金(科研費プロ)、クラウド版導入費ゼロ(科学研究費システム)、財務会計のオプション(財務プロ)、財務会計に内包(GrowOne)で、初期費用と年間費用の考え方が違う

確認項目は導入チェックリストで製品ごとに書き出せます。

よくある質問

Q. 財務会計システムに研究費管理があれば専用システムは不要ですか? A. 財源・課題ごとの残高管理は財務会計で足りる場合があります。科研費電子申請システムとのデータ連携や報告書様式の出力まで必要なら、専用システムの機能を確認してください。

Q. 国立大学法人でも科研費プロは使えますか? A. 科研費プロは学校法人向けのACOfficeシリーズで、公式ページに国立大学法人会計基準への言及はありません。国立大学法人での利用可否や財務会計との連携は公式情報から確認できないため、ベンダーに照会してください。

Q. Dr.Budgetだけで科研費の報告書は作れますか? A. 公式ページでは、収支簿・実績報告書の作成は別製品Dr.Reportsの機能として記載されています。両方を組み合わせる前提で確認してください。

まとめ

研究費管理システムは、財務会計に内包するか、専用システムを連携させるか、予算管理システムで扱うかで構成が変わります。科研費電子申請システムとのデータ連携と報告書出力を公式に明記しているのは科研費プロとDr.Reports、発注・検収日の管理を明記しているのはDr.Budget、国立大学法人で研究費をプロジェクト管理する財務会計はGrowOne 財務会計です。財源の範囲、研究者向け画面、検収の証跡、財務会計との連携方式、費用の構造の順に要件を整理し、公式に明記がない項目はベンダーに文書で確認してください。

比較表

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全5件(名前順・順位ではありません)

※ 表は横にスクロールできます。

Dr.Budget(発生源Web予算管理システム)、GrowOne 財務会計(国公立大学法人・独立行政法人向け)、科学研究費システム(TriR Campus)、科研費プロ(ACOffice)、財務プロ(ACOffice)の比較(公式情報に基づく。「確認中」は公式サイトで確認できていない項目)
項目 Dr.Budget(発生源Web予算管理システム) 株式会社エヌ・ビー・ソリューション GrowOne 財務会計(国公立大学法人・独立行政法人向け) 株式会社ニッセイコム 科学研究費システム(TriR Campus) 株式会社ジャスウィル 科研費プロ(ACOffice) 株式会社エデュース 財務プロ(ACOffice) 株式会社エデュース
基本情報
料金(月額換算)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ(クラウド版・導入費ゼロの記載あり)要問い合わせ(従量課金制・1課題から導入可)要問い合わせ(年次バージョンアップ込みのライセンス方式)
種類予算管理専用財務会計(国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)研究費管理専用研究費管理専用財務会計(私立大学・学校法人向け)
対象の設置形態大学向け予算管理(設置形態別の対象は公式明記なし。提供会社の導入実績に独立行政法人を含む)国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人・地方独立行政法人向け大学向け研究費管理(設置形態の公式明記なし)大学向け研究費管理(私立大学の導入事例あり。2009年に国立大学法人へのパッケージ提供開始と公式沿革に記載)私立大学・学校法人向け(学校法人会計基準)
提供形態確認中確認中クラウド確認中クラウド/オンプレミス
機能・対応
学校法人会計基準に対応 確認中該当なし該当なし該当なし対応
新会計基準(2025年4月施行)対応の明記 該当なし該当なし該当なし該当なし確認中
国立大学法人会計基準に対応 確認中対応該当なし該当なし該当なし
独立行政法人会計基準に対応 確認中対応該当なし該当なし該当なし
研究費・科研費の執行管理 対応対応対応対応対応
Web申請・電子承認 対応対応対応対応確認中
予算編成・執行管理 対応対応対応対応対応
固定資産管理 該当なし対応該当なし該当なし対応
電子帳簿保存法対応の明記 確認中確認中確認中確認中対応
インボイス制度対応の明記 確認中確認中確認中確認中対応
銀行データ連携 該当なし確認中該当なし該当なし確認中
給与・人事システム連携 確認中対応該当なし該当なし確認中
複数学校・部門の一元管理 確認中該当なし確認中確認中対応
所轄庁提出書類の出力 該当なし該当なし該当なし該当なし確認中
Amazonビジネス連携(公式記載) 対応対応確認中確認中対応
契約・導入実績
無料プラン 該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
無料トライアル 該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
法人契約 対応対応確認中対応対応
SSO 確認中確認中確認中確認中確認中
大学・学校法人の公式導入事例 ありあり確認中ありあり
自治体・教育委員会の公式導入事例 なしあり確認中なしなし

○=公式サイトの記載で確認できた ×=公式に非対応(または無し)と確認できた ? 確認中=公式サイトに明記がない(非対応とは限りません) — 該当なし=その種類のサービスには当てはまらない項目。事例の行は「公式サイトに事例掲載があるか」で、利用実績の有無ではありません。確認日は記事末尾の出典一覧。「確認中」の項目は導入チェックリストでベンダーへの確認項目として書き出せます。

出典・参考情報

導入や学内ルール作りの支援(運営会社・初回相談は無料)は導入相談のページをご覧ください。