使い方 人事給与
私学共済の掛金計算と給与システムの対応|定時決定・随時改定
私立大学・学校法人の給与担当向けに、私学共済の掛金等4種類と掛金等率、端数処理の順序、標準報酬月額の定時決定・随時改定の適用時期、届出の電子化を私学事業団の公式情報で整理します。
この記事の内容
私学共済制度の掛金等は、標準報酬月額(標準賞与額)に掛金等率を乗じて計算します。標準報酬月額に率を乗じること、短期(医療)と年金で等級区分が分かれること、端数処理を加入者全員分の合計に対して行うことなど、健康保険・厚生年金と共通する仕組みも多い一方で、私学共済で使う掛金等率・加入者種別・標準報酬月額表と、掛金等率の改定時期が種類によって異なる(短期給付等掛金率は4月、加入者保険料率は9月)ことは、給与システムの設定と突き合わせて確認する点になります。
この記事は、私立大学・学校法人(私学共済制度の適用を受ける学校法人等)の給与・共済事務の担当者に向けて、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)の公式情報だけを根拠に、掛金等の計算、標準報酬月額の決定・改定、届出の方法を整理します。国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人に適用される共済制度は扱いません。掛金等率や各年の日程は変更されることがあるため、実務では私学事業団の該当ページで最新の値を確認してください。
結論:私学共済の掛金等は4種類・折半負担で、端数処理と等級区分が給与システムの確認項目になる
- 掛金等の種類は「短期(福祉分含む)掛金」「介護掛金」「加入者保険料」「退職等年金給付掛金」の4種類で、計算式は「標準報酬月額(標準賞与額)×掛金等率=掛金等額」です
- 甲種・乙種・丙種加入者は加入者と学校法人等の折半負担、任意継続加入者は全額加入者負担です
- 標準報酬月額表は、同じ報酬月額から「等級(短期)」と「等級(年金)」をそれぞれ決めます。短期は1等級58,000円〜50等級1,390,000円、年金は下限1等級88,000円・上限32等級650,000円で、中間帯では金額が同じで等級番号だけが異なり、短期側の標準報酬月額が88,000円未満または650,000円超の帯では年金側の標準報酬月額がそれぞれ88,000円・650,000円になります
- 掛金等額は端数整理をせず、種別ごとに加入者全員分を合計してから1円未満を切り捨てます。加入者から控除する額は折半後に50銭以下切捨て・50銭超切上げ(学校法人等と加入者の間に特段の取り決めがない場合)、学校法人等の負担額は総額から加入者負担額の合計を差し引いて求めます
- 定時決定は4月・5月・6月の報酬の平均で決め、その年の9月から翌年8月までの算定基礎になります。標準報酬基礎届書の提出期限は7月10日です
- 掛金等率の改定時期は、短期給付等掛金率が4月、加入者保険料率(軽減保険料率)が9月です。令和8年度の加入者保険料率は4月〜8月が17.097%、9月以降が17.451%で、9月は定時決定の反映と率の切り替えが重なります
- 届出は様式用紙・電算用紙・電子媒体に加えて、令和8年1月26日からe-Gov電子申請(CSVファイル添付方式を含む)が始まりました
1. 私学共済の掛金等は4種類|対象年齢と負担割合
私学事業団は、負担する掛金等を「健康保険にあたる『短期(福祉分含む)掛金』、『介護掛金』、年金にあたる『加入者保険料』及び『退職等年金給付掛金』の4種類」と説明しています。掛金等には毎月の報酬にかかる報酬掛金等と、賞与等にかかる賞与等掛金等があります。
| 掛金等の種類 | 内容 | 対象者(原則) |
|---|---|---|
| 短期(福祉)掛金 | 健康保険料及び福祉事業分として納付する掛金 | 75歳未満の加入者 |
| 介護掛金 | 介護保険料として納付する掛金 | 40歳以上65歳未満の加入者 |
| 加入者保険料 | 厚生年金の保険料 | 70歳未満の加入者 |
| 退職等年金給付掛金 | 退職等年金給付(新3階年金)の掛金 | 70歳未満の加入者 |
年齢による納付期間は、介護掛金が「40歳に達した日の属する月から65歳に達した日の属する月の前月まで」、加入者保険料と退職等年金給付掛金が「70歳に達した日の属する月の前月まで」です。短期給付は75歳の誕生日に後期高齢者医療制度の対象となり適用から除外されるため、75歳の誕生日の属する月から掛金の負担はありません。ここでいう「達した日」は「年齢計算に関する法律」により誕生日の前日です。誕生日が月の初日の加入者で判定がずれやすいところなので、給与システムの年齢判定の基準日を確認する箇所になります。
負担割合は、甲種・乙種・丙種加入者が加入者と学校法人等の折半、任意継続加入者が全額加入者負担です。なお、産前産後休業期間および3歳に達するまでの子を養育するための育児休業等期間中は、申し出により報酬にかかる掛金等と賞与にかかる掛金等が免除されます。ただし免除の要件は報酬分と賞与分で異なります。報酬分は、休業を開始した日の属する月から終了日の翌日の属する月の前月まで(育児休業は、開始日と終了日の翌日が同一月内で休業日数が14日以上ある月も対象。同一月内の分割取得は日数を合算し、産後パパ育休中の就業日は除いて数えます)が免除されます。賞与分は、産前産後休業では休業期間中に末日がある月に支給された賞与、育児休業等では引き続き(連続して)1ヶ月を超える休業を取得した場合に限り休業期間中に末日がある月に支給された賞与が免除の対象です。
2. 掛金等率は年度内で変わることがある(令和8年度・甲種加入者)
私学事業団が公表している令和8年度の掛金等率のうち、甲種加入者の率は次のとおりです(単位:%、加入者と学校法人等の合計。折半して負担します)。
| 区分(甲種加入者) | 令和8年4月〜8月 | 令和8年9月〜令和9年3月 |
|---|---|---|
| 短期給付等掛金率(短期給付分) | 8.771 | 8.771 |
| 短期給付等掛金率(子ども・子育て支援金分) | 0.23 | 0.23 |
| 短期給付等掛金率(福祉事業分) | 0.250 | 0.250 |
| 短期給付等掛金率(介護分) | 1.554 | 1.554 |
| 短期給付等掛金率(計・40歳以上65歳未満) | 10.805 | 10.805 |
| 短期給付等掛金率(計・40歳未満および65歳以上) | 9.251 | 9.251 |
| 退職等年金給付掛金率 | 1.20(本来の率1.50から繰入率0.3を差し引いた率) | 1.20(同左の算式) |
| 加入者保険料率(軽減後) | 17.097(18.248−1.151) | 17.451(18.248−0.797) |
| 合計(40歳以上65歳未満) | 29.102 | 29.456 |
| 合計(40歳未満および65歳以上) | 27.548 | 27.902 |
乙種加入者等(乙種加入者、協定特例加入者、放送大学・法科大学院等への公務員派遣加入者)・丙種加入者・任意継続加入者の率は区分ごとに異なります。公式ページの表で該当する種別を確認してください。
表の率は都道府県補助を反映する前のものです。都道府県補助金がある場合は標準報酬月額にかかる加入者保険料に対して補助され、標準賞与額にかかる加入者保険料には補助されません。報酬分の加入者保険料の実際の控除額は、各学校法人等に通知された補助率に応じた掛金等早見表で確認します。
給与システムの運用で影響が出やすいのは、掛金等率の改定時期が種類によって異なる点です。私学事業団は、短期給付等掛金率の改定時期は4月、加入者保険料率(軽減保険料率)は9月と説明しています。令和8年度の加入者保険料率は、4月〜8月が令和7年9月からの17.097%の据え置きで、9月から17.451%に変わります。9月は定時決定による標準報酬月額の切り替えと同じ月にあたるため、率のマスタ更新と等級の更新が同じ給与計算で重なります。率をいつからいつまでの適用として保持できるか(履歴を持てるか)は、確認しておく項目です。
3. 端数処理は「加入者全員分の合計」に対して行う
私学事業団の掛金等Q&Aは、端数処理の順序を次のように示しています。ここは給与システムの控除額計算と、事業団への納付額(通知額)の算出が分かれるところです。
- 標準報酬月額(標準賞与額)×掛金等率=掛金等額。この段階では端数整理をしません
- 掛金等額は、種別ごと(短期(福祉)掛金・介護掛金・加入者保険料・退職等年金給付掛金)に加入者全員分の報酬分(賞与の掛金等がある月は賞与分も)を端数を持ったまま合計し、最後に1回だけ1円未満の端数を切り捨てて「通知額」とします
- 加入者の報酬から控除する場合、1の掛金等額を折半したうえで、加入者負担分の端数が50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げます(学校法人等と加入者の間で端数処理について特段の取り決めがある場合はこの限りではない、と私学事業団は注記しています)
- 学校法人等の負担額は、種別ごとに全員の掛金等額(2の通知額)から、3で求めた加入者負担額の合計を差し引いて求めます
学校法人等の負担額は「1人ずつ折半した額を足し上げた額」ではなく、総額から加入者負担額の合計を差し引いた差額として求める、という順序です。給与システムで控除額(加入者負担分)を出したあと、事業団の口座振替額・納付通知書の額とどう突き合わせるかを、運用として決めておく箇所になります。
掛金等の納付は口座振替が原則で、毎月28日(28日が金融機関の休業日の場合は翌営業日)に振り替えられ、振替額は毎月15日頃に「掛金等・子ども子育て拠出金口座振替のお知らせ」で通知されます。口座振替を登録していない学校法人等には納付通知書が送付されます。
4. 標準報酬月額の決定と改定の種類
標準報酬月額は資格取得のときに決まり、その後は次の決定・改定があります。報酬月額には基本給のほか、扶養手当、通勤手当、残業(超過勤務)手当などの支給額もすべて含まれます。
| 決定・改定の種類 | 要件 | 適用時期 |
|---|---|---|
| 資格取得時決定 | 資格取得のとき | 資格取得時 |
| 定時決定 | 4月・5月・6月の報酬の平均額(標準報酬基礎届書で報告) | その年の9月から翌年8月まで |
| 年平均額による保険者決定(定時決定) | ①4〜6月平均から算出した標準報酬月額と過去1年間(前年7月〜当年6月のうち、通常の加入者は支払基礎日数17日以上・短時間労働加入者は11日以上の月)の平均から算出した標準報酬月額に原則2等級以上の差(上限・下限付近では1等級差でも対象となる場合がある)、②その差が業務の性質上例年発生する見込み、③加入者の同意。前年7月〜当年3月に対象月が1ヶ月以上必要 | その年の9月から |
| 標準報酬月額改定(随時改定) | 固定的給与の変動(給与体系の変更を含む)があり、変動した月から継続した3ヶ月(いずれの月も支払基礎日数17日以上、短時間労働加入者は11日以上)の報酬の平均から求めた標準報酬月額が従前と比べて原則2等級以上増減すること(上限・下限付近では1等級差でも対象となる場合がある)。固定的給与の増減を契機とする場合は、その増減の方向と標準報酬月額の増減の方向が一致することが必要(非固定的手当の廃止・創設など給与体系の変更の判定は公式Q&Aによる) | 変動後の固定的給与が反映された報酬で支払基礎日数17日(短時間労働加入者は11日)を満たした月(起算月。給与体系の変更の起算月は公式Q&Aによる)から3ヶ月経過後(4ヶ月目)から |
| 年平均額による保険者決定(随時改定) | 上記に加えて、変動月以後3ヶ月の固定的給与の月平均に「変動月前9ヶ月と変動月以後3ヶ月」の非固定的給与の月平均を加えた額から算出した標準報酬月額との比較など、公式に示された5要件すべて(加入者の同意を含む) | 改定月から |
| 産前産後休業・育児休業終了後の改定 | 3歳未満の子を養育しており、休業終了日の翌日に復職し、復職した日を含む3ヶ月の報酬の平均額が従前の標準報酬月額と比べて1等級以上増減(加入者からの申し出) | 復職した月から4ヶ月目(3ヶ月のうち支払基礎日数17日未満・短時間労働加入者は11日未満の月は除いて平均。3ヶ月とも基準未満の場合は改定の対象外) |
| 標準報酬月額の即時改定 | 60歳以上の加入者が同一学校法人等で退職し、1日の空白もなく引き続き再雇用され、再雇用時の報酬が従前の標準報酬月額と比べて1等級以上増減(加入者からの申し出) | 再雇用された日の属する月から |
標準報酬月額表(令和4年10月1日改正)は、報酬月額を当てはめた行ごとに「等級(短期)」と「等級(年金)」が対応します。等級(短期)は短期給付・福祉・介護掛金にかかる等級で1等級58,000円から50等級1,390,000円まで、等級(年金)は加入者保険料・退職等年金給付掛金にかかる等級で下限が1等級88,000円、上限が32等級650,000円です。中間帯では短期と年金で標準報酬月額は同じで等級番号だけが異なりますが、短期側の標準報酬月額が88,000円未満または650,000円超になる場合は、年金側の標準報酬月額はそれぞれ88,000円・650,000円となり短期側と異なります(例:報酬月額60,000円は短期58,000円・年金88,000円、報酬月額700,000円は短期710,000円・年金650,000円)。給与システムが短期用と年金用の標準報酬月額・等級を別々に保持できるかは確認項目になります。
5. 定時決定の実務(令和8年の日程を例に)
定時決定は「毎年7月1日現在で学校法人等に使用されている加入者(後期高齢者医療制度該当者を含みます)」について、4月・5月・6月の報酬を標準報酬基礎届書で報告し、その平均額から9月〜翌年8月の標準報酬月額と等級を決めるものです。令和8年は6月8日と9日の2日間に分けて基礎届書と通知文が送付され(電子媒体・電算用紙による報告を登録している学校法人等には通知文のみ)、提出期限は令和8年7月10日(金曜)でした。決定内容の確認通知書は9月中旬に学校法人等宛てに送付され、学校法人等用と加入者用の双方で内容を確認します。令和8年は、8月10日までにe-Gov電子送達の申し込みをした学校法人等は確認通知書を電子で受け取れます(私学事業団が通知文の記載を訂正して案内しています)。
対象者と算定で押さえる点は次のとおりです。
- 送付される基礎届書は6月1日までに私学事業団で入力処理した情報をもとに印字されます。提出対象は5月31日以前に資格取得した加入者で、6月1日以降に資格取得した加入者は当該年度の基礎届書の提出が不要です
- 算定の対象月は、通常の加入者(パートタイマーを含む)は支払基礎日数17日以上の月、短時間労働加入者は11日以上の月です。加入者区分が月の途中で変わった場合は、その月の給与計算期間の末日における加入者区分で判定します
- 支払基礎日数は、月給者は各月の暦日数、日給者・時給者は給与支払の基礎となる出勤日数です。1時間だけの勤務でも給与の支払対象であれば1日として数えます。日をまたぐ夜勤など、時給者の総労働時間を所定労働時間で割って日数を求める扱いは、公式Q&Aが示す特定の場合の算定方法です
- 給与支払対象期間の途中から資格取得して1ヶ月分の給与が支給されない月は、算定の対象月から除きます(報酬月額を0円とし、備考欄に日割り計算である旨を記入)
- 4月・5月・6月とも報酬の支払いがない加入者(病気休職中など)も基礎届書の提出は必要で、報酬月額を0円とし、休業開始年月と備考欄に「病気休職中」と記入します。従前の標準報酬月額で決定されます
- 遡及支払額(前月以前分の支払いが算定対象月に含まれる場合)は除いて報酬月額を算定します
- 6ヶ月単位で支給した通勤手当は、6ヶ月で割って1ヶ月当たりの金額を各月の報酬月額に含めます
- 現物給与がある場合は「全国現物給与価額一覧表」で通貨に換算します。価額は原則として人事・労務・給与の管理をしている学校法人等の所在地の地域のものを使い、法人本部と勤務先が別の県にある場合は勤務先の所在地の地域の価額で計算します
- 7月・8月・9月の随時改定に該当する場合は、随時改定により決定された標準報酬月額が優先されます。基礎届書を提出済みでも標準報酬月額改定届書の提出が必要です。8月または9月の随時改定が予定されている場合も基礎届書は原則提出が必要で、4月・5月・6月の報酬を通常どおり報告します
6. 届出の出し方(様式用紙・電子媒体・e-Gov電子申請)
届出の経路は3系統あります。給与システムからどの形式で出力できるかが、事務工数に直結する部分です。
電子媒体での申請は、資格取得報告書、標準報酬月額改定届書(即時改定用・産休育児休業等終了者用・年平均用を除く)、賞与等支給報告書、標準報酬基礎届書が対象です。私学事業団が「電子媒体作成機能」と「電子媒体暗号化ツール」を提供しており、媒体を作成する際に登録した加入者情報は他の媒体を作成する際にも使えます。電子媒体の資格取得報告書には資格確認書発行要否欄がないため、資格確認書の交付を希望する加入者がいる場合は紙で申請するか別途交付申請が必要です。年平均額による保険者決定を希望する場合は、電子媒体とは別に申立書(基礎−1)と同意書(基礎−2)を同封します。
e-Gov電子申請は令和8年1月26日から始まりました。申請方法は単記式(直接入力方式)、連記式(複数入力方式)、CSVファイル添付方式の3種類で、手続きごとに使える方式が異なります(例:標準報酬基礎届書は連記式とCSVファイル添付方式、産前産後休業・育児休業等掛金等免除申出書は単記式)。CSVファイルを作成するツールと提出前のチェックツールが私学共済ポータルで提供されています。対象手続きには資格取得報告書、資格喪失報告書、標準報酬基礎届書、標準報酬月額改定届書(産休・育休終了者、即時改定、年平均用を除く)、賞与等支給報告書、産前産後休業・育児休業等掛金等免除申出書などが含まれます。利用にはGビズIDプライムアカウントの取得、GビズIDアプリをインストールしたスマートフォンによるアプリ認証、私学共済ポータルへの登録(申請を行う学校とGビズIDメンバーの紐づけ)が必要です。
給与システムの選定・更新でこの部分を条件にするときは、要求仕様書の様式に落として比較できます(大学のシステム選定で要求仕様書を作る手順)。
7. 給与システムに確認する項目
製品の対応状況は公式に明記されていない場合があるため、次の項目を個別に照会したうえで判断する形になります。
- 短期用と年金用の標準報酬月額・等級を別々に保持し(年金は下限88,000円・上限650,000円)、掛金等の種別ごとに該当する標準報酬月額と等級で計算できるか
- 掛金等率を適用期間付きで保持し、短期給付等掛金率の4月改定と加入者保険料率の9月改定にそれぞれ対応できるか
- 都道府県補助がある場合に、通知された補助率を標準報酬月額にかかる加入者保険料だけに反映し、標準賞与額にかかる加入者保険料には反映しない計算ができるか
- 年齢による掛金等の開始・終了のうち、介護(40歳到達月から65歳到達月の前月まで)と加入者保険料・退職等年金給付掛金(70歳到達月の前月まで)は「達した日=誕生日の前日」で、短期(75歳の誕生日の属する月から負担なし)は誕生日当日で、それぞれ判定しているか
- 加入者から控除する額(特段の取り決めがない場合、折半後に50銭以下切捨て・50銭超切上げ)と、事業団への納付額(種別ごとに全員分の報酬分・賞与分を端数を持ったまま合計してから1円未満切捨て)を分けて算出・照合できるか
- 賞与等について、同一月に支給された合計額の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額を算出し、短期給付等は年度内(4月〜翌年3月)合計573万円、年金等給付は支給月ごと150万円の上限を判定できるか
- 年4回以上の賞与を支給する定めがある場合に、7月1日以前の1年間に受けた賞与の合計額を12で除して各月の報酬月額に算入できるか
- 資格取得月から納付・資格喪失日の属する月の前月まで納付という月単位の判定と、同月得喪の取扱いに対応しているか
- 産前産後休業・育児休業等期間中の掛金等免除(申し出による)を、報酬分(末日を含む月、育児休業は同一月内14日以上の月)と賞与分(育児休業等は連続して1ヶ月を超える休業に限る)で異なる要件のまま反映できるか
- 標準報酬基礎届書・標準報酬月額改定届書・賞与等支給報告書について、電子媒体作成機能またはe-Gov電子申請のCSVファイル添付方式に取り込める形式でデータを出力できるか
- 財務会計システムへの仕訳連携で、掛金等の学校法人等負担分(差額として求めた額)を科目別に出力できるか(学校法人会計システムの比較)
よくある質問
Q. 4月に昇給し(当月払い)、4月〜6月の平均が従前の等級と2等級以上変わりました。定時決定と随時改定のどちらになりますか。 A. 7月・8月・9月の随時改定に該当する場合は、随時改定により決定された標準報酬月額が優先されます。この質問のように7月改定に該当する場合は、基礎届書とは別に標準報酬月額改定届書の提出が必要で、基礎届書では該当者の名前を二重線で抹消し、報酬月額記入欄下部の「3.7月改定者」に〇を付して提出する、と公式Q&Aに示されています。8月または9月の随時改定が予定されている場合は、基礎届書は原則提出が必要で、4月〜6月の報酬を通常どおり報告します。
Q. 月末に退職した職員の最後の給与から、掛金等が2ヶ月分控除されました。誤りですか。 A. 月の末日に退職した場合は翌月1日が資格喪失日となるため、退職した月分までの掛金等の納付が必要です。私学事業団のQ&Aは「給与計算の締切日によって、退職時の給与から前月分と当月分の2ヶ月分の掛金等が控除される場合があります」と説明しています。月の途中で退職した場合は、資格喪失日の属する月の前月分までです。
Q. 採用した月に退職した職員の掛金等はどうなりますか。 A. 加入者資格を取得した同一月内に資格を喪失した場合も掛金等の納付が必要です。ただし、その月にさらに私学共済の加入者または他の種別の厚生年金・国民年金の被保険者となったこと等が私学事業団で確認できたときは、納付した掛金等は還付されます。
Q. 育児休業中の掛金等はどう扱いますか。 A. 産前産後休業期間および3歳に達するまでの子を養育するための育児休業等期間中は、申し出により報酬にかかる掛金等および賞与にかかる掛金等が免除されます。ただし免除の要件は報酬分と賞与分で異なり、報酬分は休業期間中に月の末日を含む月(育児休業は同一月内に14日以上の休業がある月も対象)、賞与分は育児休業等の場合は連続して1ヶ月を超える休業を取得したときに休業期間中に末日がある月に支給された賞与に限られます。手続きは「産前産後休業・育児休業等掛金等免除申出書」によります(e-Gov電子申請では単記式の対象手続きです)。
Q. 4月・5月・6月の平均が例年の実態と離れてしまいます。年間の平均で決められますか。 A. 定時決定では、①4〜6月平均から算出した標準報酬月額と過去1年間(通常の加入者は支払基礎日数17日以上、短時間労働加入者は11日以上の月が対象。前年7月〜当年3月に対象月が1ヶ月以上必要)の平均から算出した標準報酬月額に原則2等級以上の差があること、②その差が業務の性質上例年発生することが見込まれること、③加入者が同意していること、の3要件に該当する場合に、過去1年間の平均報酬月額で決定できます。基礎届書の「5.年平均希望者」に〇を付し、4〜6月の報酬月額とあわせて年平均額を記入したうえで、申立書と同意書を添えて提出します。随時改定にも同様の仕組みがあり、公式に5要件が示されています。
まとめ
私学共済の掛金等は「標準報酬月額(標準賞与額)×掛金等率」で計算し、甲種・乙種・丙種加入者は折半負担です。給与システムとの関係で確認する点は、短期用と年金用に分かれる標準報酬月額・等級、4月に改定される短期給付等掛金率と9月に改定される加入者保険料率、加入者全員分の合計に対して行う端数処理と加入者負担分の50銭処理、月単位の資格判定と同月得喪の扱い、そして届出データを電子媒体作成機能やe-Gov電子申請のCSVファイル添付方式に載せられるかです。掛金等率や各年の日程は変更されることがあるため、実務では私学事業団の該当ページで最新の値と当年の通知文を確認してください。本記事は制度の枠組みを整理したもので、個別の判定は私学事業団および各法人の規程によります。
出典・参考情報
- 日本私立学校振興・共済事業団「掛金等の概要」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「加入者種別と掛金等率」(公式・令和8年3月13日更新) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「掛金等Q&A」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬月額と標準賞与」(公式・令和8年6月10日更新) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬月額表」(令和4年10月1日改正)(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬基礎届書にかかるQ&A(定時決定)」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「令和8年標準報酬月額の定時決定の実施」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「e-Gov電子申請を令和8年1月26日から開始しました」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「電子媒体での申請」(公式) (確認日:2026-09-06)
- 日本私立学校振興・共済事業団「令和8年度の掛金等の率(お知らせ)」(公式・改定時期の注釈) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「掛金等免除にかかるQ&A」(公式) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬月額改定にかかるQ&A(随時改定)」(公式) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬月額の改定が必要なとき(フローチャート図)」(公式PDF) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「退職後、引き続き再雇用され報酬が変更になった(即時改定)」(公式) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「出産・育児にかかる掛金等免除、標準報酬月額改定と養育特例」(公式) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「年平均額による保険者決定Q&A(定時決定)」(公式) (確認日:2026-09-07)
- 日本私立学校振興・共済事業団「標準報酬月額改定届書(産休・育休終了者用)」提出上の注意(公式) (確認日:2026-09-07)
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