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ChatGPT Eduとは|大学の全学契約で確認する条件と導入校
OpenAIの大学向けプラン「ChatGPT Edu」の機能・データの扱い・管理機能・料金の仕組みを公式情報で整理し、滋賀大学・新潟大学・北里大学が公表した導入内容を、全学契約を検討する事務部門の視点でまとめます。
この記事の内容
「ChatGPT Edu」は、OpenAIが大学向けに提供するChatGPTのプランです。教員や研究者だけでなく、事務部門も含めた「キャンパス全体」での利用を想定した製品で、国内でも2025年から導入を公表する大学が出ています。
この記事では、ChatGPT Eduの機能・データの扱い・管理機能・料金の仕組みを、OpenAIの公式ヘルプとプライバシーページで確認できる範囲で整理し、あわせて国内の大学が公表した導入内容をまとめます。全学契約の検討で事務部門(情報システム・総務・企画)が確認する項目の整理が目的で、製品の評価や推奨ではありません。
結論:データはデフォルトでは学習に使われず、管理機能はEnterprise同等。料金は問い合わせ制で、確認の中心は「対象範囲・保持期間・学内ルール」
- OpenAIの公式ヘルプは、ChatGPT Eduを「学生やキャンパスコミュニティにAIをより広く導入したい学校向け」と説明し、購入は「当社チームにお問い合わせください」としています(今回確認した公式ページに1人あたりの契約価格の記載はなく、問い合わせ制)
- 公式製品ページは、データや会話をOpenAIのモデル学習に使用しないこと(デフォルト。フィードバック等で明示的に同意した場合を除く)、SAML SSO・ドメイン認証、データ保持期間のカスタマイズ、SOC 2 Type 2・ISO 27001等の認証、保存時AES-256・転送時TLS 1.2以上の暗号化を明記しています
- 管理機能は「専用ワークスペースと管理コンソール」「SCIM」「グループごとの権限設定とGPT管理」「ユーザー分析ダッシュボード」で、エンタープライズプライバシーのページは「ChatGPT Enterpriseと同等の管理機能を管理者に提供」としています
- 国内では滋賀大学(2025年4月から・同大学の公表で「国内初」)、新潟大学(2025年9月1日から)、北里大学(2026年4月27日付で導入決定を公表。全学生約9,500人・附属3病院を含む全教職員約6,200人が対象)が公式に導入を公表しています
- 全学契約の検討で事務部門が確認する項目は、対象者の範囲、データ保持期間の設定、学内の利用ガイドラインとの整合、既存のMicrosoft 365・Google Workspace契約で利用できる生成AI機能との関係です
1. ChatGPT Eduとは(公式ヘルプの記載)
OpenAIのヘルプセンターは、ChatGPT Eduに含まれる機能を次のように列挙しています。
- 最新のフラッグシップモデルへのアクセス
- 高度なツール(データ分析、ウェブ閲覧、ファイルアップロード)
- ChatGPTのカスタム版であるGPTsを作成し、大学のワークスペース内で共有する機能
- ChatGPT無料版より大幅に高いメッセージ上限
- 50言語以上に対応した言語機能
- グループ権限、SSO、SCIM、GPT管理などのセキュリティ、データプライバシー、管理者向けコントロール
エンタープライズプライバシーのページでは、ChatGPT Eduを「大学向けに設計されており、学生、教職員、研究者、大学運営部門へのChatGPT導入を容易にするとともに、ChatGPT Enterpriseと同等の管理機能を管理者に提供します」と説明しています。
公式ページで確認できる、データの扱いと管理機能
データの扱い(公式製品ページ・プライバシーページ)
- データや会話はOpenAIのモデル学習に使用されない(デフォルト。明示的に同意した場合を除く)
- 入力と出力はユーザー(契約者)に帰属(法律で認められる場合)
- データ保持期間は管理者が設定。削除された会話は法的義務がない限り30日以内に消去
- SOC 2 Type 2、ISO 27001・27017・27018・27701の認証
- 保存時AES-256、転送時TLS 1.2以上で暗号化
- ChatGPT Eduは「学生データプライバシー契約」に基づいてデータを処理
管理機能(公式製品ページ・ヘルプ)
- 専用ワークスペースと管理コンソール
- SAML SSOとドメイン認証、SCIM
- グループごとの権限設定とGPT管理
- ユーザー分析ダッシュボード
- ワークスペース管理者はEnterprise Compliance APIで会話・GPTの監査ログにアクセス可能
- 請求の一元化、キャンパス管理者向けのOpenAIサポート
2. データの扱いで確認すること
エンタープライズプライバシーのページは、ChatGPT Eduを含む法人向けプランについて、次を明記しています。
- 学習利用:「デフォルトでは、お客様のビジネスデータをモデルの学習に使用することはありません」。ただし、フィードバック機能などでデータ共有に明示的に同意した場合は、共有されたデータを学習に使用することがある、と注記されています
- 所有権:入力に対する権利は契約者に留保され、正当に受領した出力は法律で認められる範囲で契約者の所有になります
- 保持期間:「お客様のデータの保持期間については、ワークスペースの管理者が決めることができます。削除された会話は、その保持が法的義務でない限り、30日以内に当社システムから消去されます」。保持期間を短くすると、製品体験を損ねる可能性がある旨の留意も書かれています
- 会話へのアクセス:エンドユーザーは自分の会話履歴を閲覧でき、ワークスペース管理者はEnterprise Compliance APIを通じて会話やGPTの監査ログにアクセスできます。OpenAIの従業員がアクセスするのは、インシデント解決、契約者の明示的許可に基づく復元、法令で必要な場合に限られる、としています
- 契約の形:GDPR等への対応ではデータ処理補遺(DPA)を締結できるとし、「ChatGPT Edu および ChatGPT for Teachers では、学生データプライバシー契約に基づいてデータを処理します」と記載しています
大学側の確認項目は、製品の設定で決める事項と、学内の運用で決める事項に分けて整理します。製品の設定は、会話の保持期間を何日にするか、アクセス制御をどう設定するかです。学内の運用は、情報セキュリティポリシーや個人情報保護規程で「学外クラウドに入力してよい情報の範囲」がどう定められているか、監査ログを誰が扱うか、です。契約前の確認項目として、製品設定と学内運用のそれぞれについて、情報システム部門と規程の所管部署の確認範囲を整理します。
3. 料金の仕組み(公式ヘルプの記載)
今回確認した公式ページ(ヘルプセンター・製品ページ・レート表)には、ChatGPT Eduの1人あたり月額などの契約価格は記載されておらず、製品ページの導線は「営業へのお問い合わせ」です。公式ヘルプの「ChatGPT レート表」は、Enterprise/Eduプランに「クレジットベースの柔軟な料金体系」があることと、クレジットの単価の考え方を説明しています。
- 機能に応じて、使用量は「メッセージ・タスク・生成・接続1分あたりの固定クレジット数」または「入力トークン・キャッシュ済み入力トークン・出力トークンそれぞれの100万トークンあたりのクレジット数」で測られる
- 柔軟な料金体系を利用しているEnterpriseおよびEduワークスペースは、クレジットにより使用量をスケールし、固定のレート制限はない。柔軟な料金体系を利用していないワークスペースには各プランの制限が適用される
- ChatGPT Eduの顧客では、画像生成はローリング24時間あたり3回、Deep researchはローリング24時間あたり5件のクエリまで、追加料金が発生せずクレジットを消費しない、と記載されている
- Enterprise契約で米ドルでの従量課金が指定されている場合は契約の料金表に従う、とも書かれている(Eduへの適用は今回の出典では確認できない)
つまり、今回確認した範囲では「1人あたり月額いくら」という公開価格は見当たらず、契約の形と費用は問い合わせで確認する事項です。予算化の際の確認項目には、対象人数と、クレジットベースの料金体系を利用する場合の見込み利用量の考え方を挙げます。
4. 国内の大学が公表した導入内容
公式サイト・プレスリリースで確認できる範囲を、公表順に示します。人数・対象は、取得できた公表文に記載された範囲で整理しています。
| 大学(設置者) | 公表日 | 公表された内容 |
|---|---|---|
| 滋賀大学(国立大学法人滋賀大学) | 2025年3月12日 | 「国内初OpenAI社のChatGPT Educationを滋賀大学が導入」。同大学の別ページでは、2025年4月から「国内で初めて導入」し、学生のプログラミング教材、語学学習や外国語論での文章添削などで活用するとしている。公表文(PDF)では「大学院教育においてChatGPT Edu を導入」するとし、業務での生成AIの活用による学生サービス向上・事務作業の縮減と、研究者の研究・教育活動の環境整備にも触れている。対象人数の記載は確認できない |
| 新潟大学(国立大学法人新潟大学) | 2025年8月29日 | 2025年9月1日から導入。第2学期の新設科目「生成AI活用実践演習」(定員200名×2クラス)の履修学生、教育・学生支援改革に関わる教職員、NICEプログラムの学生アシスタントを対象に開始し、教育支援・学生サービス・業務・研究での試行を進めるとしている。「通信の安全性やデータ保護が確保され」、利用範囲と利用条件を大学が管理できることを導入理由に挙げている |
| 北里大学(学校法人北里研究所) | 2026年4月27日(文書の日付) | 全学生(約9,500人)および附属3病院の全医療従事者を含む全教職員(約6,200人)を対象とする導入決定を公表。学部・研究科・附属病院・法人各部門を横断する「生成AI導入プロジェクトチーム」を設置し、利用ポリシー・ガイドラインの整備、AIリテラシー教育と研修体制、活用モデルの設計、技術基盤とサポート体制を一体的に進めるとしている |
3校の公表内容は粒度が異なります。滋賀大学は大学院教育での導入と業務・研究での活用方針を、新潟大学は利用対象を、北里大学は対象範囲に加えてポリシー・研修等の整備方針を公表しています。人数まで示しているのは北里大学と、新潟大学(演習科目の定員)です。事務部門の観点では、北里大学が部門横断のプロジェクトチームを設け、ガイドラインや研修体制等の整備を一体的に進めるとしている点が、体制の組み方を検討する際の参考になります。
なお、全学で生成AIを契約する選択肢はChatGPT Eduだけではありません。立教学院は2026年4月27日に、全専任職員にGoogle AI Pro for Education(Gemini有償版)を導入したことを公表し、「職員向け生成AI利活用ガイドライン」を策定したとしています。既にMicrosoft 365やGoogle Workspaceを全学契約している大学では、それらの契約で利用できる生成AI機能との関係も確認項目になります。
5. 全学契約の検討で事務部門が確認すること
- 対象者の範囲:学生・教員・研究者・事務職員のうち誰を対象にするか。附属学校・附属病院を含めるか(北里大学は附属病院の医療従事者を含めている)
- 既存契約との関係:Microsoft 365・Google Workspaceなどの既存契約で利用できる生成AI機能と追加契約の要否、ChatGPT Eduで検証する業務の範囲
- データ保持期間と監査ログの運用:保持期間の設定値、監査ログ(Compliance API)の取り扱い部署、退職・卒業時のアカウント処理とSCIMで対応できる範囲
- 学内ガイドラインとの整合:入力してよい情報の範囲、成績・人事・研究データの扱い。既存の生成AIガイドラインがある大学は、ChatGPT Eduのワークスペース内での利用を「学内契約製品」としてどう位置づけるか、追記の要否を確認する(大学の生成AIガイドライン比較)
- 研修の設計:事務職員向けの基礎研修・実務演習の対象、内容、実施時期を確認する(大学職員向け生成AI研修の設計)
- 費用の考え方:今回確認した公式ページに公開価格がないため、対象人数、契約の形・費用、複数年の費用見通しを検討するために必要な情報を営業担当に確認する
- 議事録・会議記録への利用:会議の文字起こしや要約に使う場合は、録音・保存・削除について既存規則で対応できる範囲と追加整備の要否を確認する(議事録AIの学内利用ガイドラインの作り方)
よくある質問
Q. ChatGPT Eduの料金はいくらですか? A. 今回確認した公式ページ(ヘルプセンター・製品ページ・レート表)に1人あたりの契約価格の記載はなく、営業への問い合わせで確認する形です。公式ヘルプには、Enterprise/Eduプランでクレジットベースの柔軟な料金体系があることが書かれています。適用条件と費用は営業担当に確認してください。
Q. 入力したデータはOpenAIの学習に使われますか? A. 公式のエンタープライズプライバシーのページは、デフォルトでは学習に使用しないと明記しています。フィードバック機能などで明示的に同意した場合を除きます。
Q. ChatGPT EnterpriseとChatGPT Eduの違いは何ですか? A. 公式ページでは、Eduは大学向けに設計され、Enterpriseと同等の管理機能を管理者に提供する、と説明されています。データの扱いに関する方針も同じページで両プランに適用される形で書かれています。
Q. 国内でどの大学が導入していますか? A. 本記事で公式の公表を確認できたのは、滋賀大学(2025年4月から)、新潟大学(2025年9月1日から)、北里大学(2026年4月27日付で導入決定を公表)の3校です。公表していない大学の導入状況は分かりません。
まとめ
ChatGPT Eduは、データをデフォルトでは学習に使わない方針、SSO・SCIM・GPT管理などの管理機能、保持期間の設定といった点が公式に明記されています。学内要件との適合は、これらの機能を前提に大学側で確認する項目です。料金は問い合わせ制で、対象範囲・保持期間・学内ガイドライン・既存契約との関係も大学側の確認事項になります。国内の公表校のうち北里大学は、ガイドライン・研修の整備を導入と一体的に進める体制を示しており、事務部門の確認項目としては、ガイドライン・研修の整備体制と担当部署を早い段階で挙げておくことが考えられます。
出典・参考情報
- OpenAI ヘルプセンター「OpenAI における ChatGPT Edu」(公式) (確認日:2026-09-11)
- OpenAI「ChatGPT Edu」製品ページ(公式・日本語) (確認日:2026-09-11)
- OpenAI「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」(公式・2026年1月8日更新) (確認日:2026-09-11)
- OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT レート表(Business、Enterprise/Edu のクレジットベースの料金体系)」(公式) (確認日:2026-09-11)
- 滋賀大学「国内初OpenAI社のChatGPT Educationを滋賀大学が導入」(2025年3月12日・公式) (確認日:2026-09-11)
- 滋賀大学 プレスリリース「国内初 OpenAI 社の ChatGPT Education を滋賀大学が導入」(2025年3月12日・PDF・公式) (確認日:2026-10-26)
- 滋賀大学「4月からChatGPT Eduを国内で初めて導入 日経新聞に掲載」(公式) (確認日:2026-09-11)
- 滋賀大学 公式サイト(法人名「国立大学法人 滋賀大学」の確認) (確認日:2026-09-11)
- 新潟大学「教育機関向けの生成AIサービス『ChatGPT Edu』を導入します〜生成AIで学生の『学ぶ力』を加速〜」(2025年8月29日・公式) (確認日:2026-09-11)
- 新潟大学「運営体制」(法人名「国立大学法人新潟大学」の確認・公式) (確認日:2026-09-11)
- 学校法人北里研究所 プレスリリース「北里大学、全学生・全教職員に加え附属3病院の全医療従事者を対象に『ChatGPT Edu』を導入」(2026年4月27日付・公式) (確認日:2026-09-11)
- 立教大学「立教学院が全専任職員にGoogle AI Pro for Educationを導入」(2026年4月27日・公式) (確認日:2026-09-11)
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