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大学の予算管理システム比較|会計内蔵型と専用型

大学の予算管理システムを、予算管理専用のDr.Budgetと、財務会計に予算管理を内蔵する4製品に分け、予算編成・補正と流用・執行時の引当・超過時の制御・会計との関係を、各社公式サイトの記載だけで比較します。

この記事の内容
  1. 大学の予算管理システム比較の結論:専用型と会計内蔵型を分けて見る
  2. 比較表
  3. 予算管理システム5製品の解説
  4. 予算管理システムの確認項目:編成・補正・引当・超過時の制御
  5. よくある質問
  6. まとめ

予算の申請・査定から執行、残高の確認までをシステムで扱うとき、候補は大きく2つの構成に分かれます。他社会計システムとの連携を想定した予算管理専用のシステムを使う構成と、財務会計パッケージに内蔵された予算管理を使う構成です。この記事では、大学の予算管理を扱う5製品を、予算編成・補正と流用・執行時の引当・超過時の制御・会計との関係という比較軸で、各社の公式サイトに書かれている範囲だけを使って整理します。順位や推奨は付けません。

会計システムそのものの比較は学校法人会計システム比較と国立・公立大学法人の財務会計システム比較、科研費など研究費の執行管理は研究費管理システム比較で扱っています。本記事は、法人・部局全体の予算編成と執行の統制に絞ります。

大学の予算管理システム比較の結論:専用型と会計内蔵型を分けて見る

本記事で用いる分類(便宜的な分類で、順位ではありません)

予算管理専用(既存の会計と連携)

予算の申請・執行・査定を扱う発生源Web予算管理システム。他社会計システムとの連携を想定

財務会計に内蔵(私立大学・学校法人向け)

学校法人会計基準に準拠した財務会計の一部として予算を管理

財務会計に内蔵(国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)

独立行政法人会計基準に準拠。国立大学、公立大学、独立行政法人、公立病院などで利用と公式に記載

分類は公式情報の記載に基づく本記事上の整理です。

公開情報で比べてわかるのは、次の3点です。

  • 構成の違い:専用型のDr.Budgetは、他社会計システムとの連携を想定した発生源Web予算管理システムです。内蔵型の4製品は、財務会計の一部として予算を管理します(例:財務プロ・Web財務は支出する予算を選ぶと勘定科目が自動でセットされ、GrowOne(私立大学向け)は依頼・契約・検収・支払の各段階で予算を差し引くと記載)。
  • 公式に書かれている範囲が製品ごとに違う:本記事で新たに設けた4つの比較軸(編成・補正と流用・引当・超過時の制御)について、本記事で確認した5製品の公式ページに記載があったのは20項目中6項目で、内訳は具体的な機能の記載が4項目、包括的・関連機能の記載が2項目(TOMAS-PSの予算編成、Dr.Budgetの執行残高チェック)です。後者の2項目では、申請・査定の範囲や超過時の動作は書かれていません。比較表では具体的な記載がある4項目を「対応」とし、残りは「確認中」と表示しています。記載がないことは、機能がないことを意味しません。
  • 超過時に「止める」かどうかは、本記事で確認した公式ページでは5製品とも確認できない:Dr.Budgetは「執行残高チェック機能」の設定ができると記載していますが、警告にとどまるか入力を止めるかは書かれていません。

予算管理システム5製品の解説

Dr.Budget(株式会社エヌ・ビー・ソリューション)

発生源Web予算管理システムで、公式ページに「予算申請から予算執行、予算査定までの全業務をカバー」と記載されています。入力は「調達入力」「支払入力」「旅費入力」「仮払入力」に対応し、予算は「事業」別・「目的業務」別・「プロジェクト」別・「研究費」別などに設定できます。予算執行額のリアルタイムな把握と「執行残高チェック機能の設定」ができ、承認者は「承認」「否認」「返却」を行えます。オプションに「予算編成オプション」(発生源からの予算申請を共有し、予算査定・決定までを支援)があります。会計は「他社会計システムと連携を想定しているデータベース構造」とされています。本記事で確認した公式ページには、連携先の会計製品名・連携方式、補正・流用、予算を差し引く時点の記載はありません。本記事で確認した公式ページには設置形態別の対象の明記がなく、提供元の導入実績には大学のほか中高法人・独立行政法人・大学校が含まれます。

財務プロ・Web財務(株式会社エデュース)

私立大学・学校法人向けの財務・会計システムで、公式ページに「予算申請→予算査定→予算執行をシステム内で完結」と記載されています。Web財務では、査定予算、学内管理用の予算、当初予算、補正予算などを同時に管理でき、「承認ルート、予算流用等、運用に合せて様々な設定が可能」とされています。予算は特許を取得した業務別予算管理機能で部門別・目的別・機能別に管理し、支出する予算を選ぶと勘定科目が自動でセットされます。導入事例では、神奈川大学が平成18年度予算申請から各予算要求部署でWeb財務による予算申請を実施したと紹介されています。本記事で確認した公式ページには、予算を差し引く時点と超過時の制御の記載はありません。

TOMAS-PS(株式会社シティアスコム)

学校法人会計基準に準拠した会計管理システムで、サブシステムの予算システムについて「予算編成から予算執行までを一気通貫で管理」「予算残高参照しながらの執行申請が可能」と記載されています。オプションの目的予算管理高度機能で「先生毎、教科毎など」の二次元予算管理ができ、公式ページでは「予算システム導入の際は必須となります」とされています。月別予算拡張機能(オプション)では月単位の予実管理ができます。本記事で確認した公式ページには、部署からの予算申請・査定の扱い、補正・流用、予算を差し引く時点、超過時の制御の記載はありません。

GrowOne 財務会計(私立大学向け)(株式会社ニッセイコム)

私立大学向けの財務会計システムで、予算執行状況照会について「依頼、契約、検収、支払のタイミングで予算差引を行い、前段階の差引額と差異が発生すると順次確定額に換わります」と記載されています。予算集計は予算主管・目的・内訳・部門・勘定科目の組合せで分析でき、一法人複数大学では拠点ごとに予算・決算を管理できます。他システムとはCSVによるデータ入出力で連携します。本記事で確認した公式ページには、予算編成(申請・査定)、補正・流用、超過時の制御の記載はありません。

GrowOne 財務会計(国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)(株式会社ニッセイコム)

国立大学、公立大学、独立行政法人、公立病院などで使われている財務会計システムで、独立行政法人会計基準に準拠と記載されています。予算は、収入財源を区別する「財源」、使途・目的を表す「目的」、管理責任を表す「所管」の3区分で管理し、部局への予算登録データを使って部局内部での配分処理ができます。教員・研究者はWebブラウザでリアルタイムに予算執行額と残額を確認したうえで物品購入依頼や経費精算入力ができます。提供元のニュースリリースでは「国立大学法人では、全86大学中65大学で導入」(2025年12月現在)とされています。本記事で確認した公式ページには、予算編成(申請・査定)、補正・流用、予算を差し引く時点、超過時の制御の記載はありません。

予算管理システムの確認項目:編成・補正・引当・超過時の制御

予算管理の4つの比較軸と、公式サイトの記載(2026年9月確認)

製品予算編成(申請・査定)補正・流用執行時の引当超過時の制御
Dr.Budget記載あり(予算編成オプション)確認中確認中関連記載あり(執行残高チェックの設定。超過時の動作は記載なし)
財務プロ・Web財務記載あり(申請→査定→執行)記載あり(当初・補正の同時管理、流用の設定)確認中確認中
TOMAS-PS包括的な記載あり(予算編成から予算執行まで。申請・査定は記載なし)確認中確認中確認中
GrowOne(私立大学向け)確認中確認中記載あり(依頼・契約・検収・支払の各段階で差引)確認中
GrowOne(国立大学法人等向け)確認中(予算登録・部局内配分の記載あり)確認中確認中(執行額・残額のリアルタイム確認の記載あり)確認中

Dr.Budget

予算編成(申請・査定)
記載あり(予算編成オプション)
補正・流用
確認中
執行時の引当
確認中
超過時の制御
関連記載あり(執行残高チェックの設定。超過時の動作は記載なし)

財務プロ・Web財務

予算編成(申請・査定)
記載あり(申請→査定→執行)
補正・流用
記載あり(当初・補正の同時管理、流用の設定)
執行時の引当
確認中
超過時の制御
確認中

TOMAS-PS

予算編成(申請・査定)
包括的な記載あり(予算編成から予算執行まで。申請・査定は記載なし)
補正・流用
確認中
執行時の引当
確認中
超過時の制御
確認中

GrowOne(私立大学向け)

予算編成(申請・査定)
確認中
補正・流用
確認中
執行時の引当
記載あり(依頼・契約・検収・支払の各段階で差引)
超過時の制御
確認中

GrowOne(国立大学法人等向け)

予算編成(申請・査定)
確認中(予算登録・部局内配分の記載あり)
補正・流用
確認中
執行時の引当
確認中(執行額・残額のリアルタイム確認の記載あり)
超過時の制御
確認中
「確認中」は、本記事で確認した公式ページに比較軸の内容の記載が見当たらない項目です。機能がないことを意味しません。

公式に記載のない項目は、資料請求や説明会で次の形に分けて確認すると、製品間の違いが比べやすくなります。

  1. 予算編成:部署からの申請、前年度予算の参照、査定、確定、通知のどこまでをシステムで行うか。標準機能かオプションか。
  2. 補正と流用:当初予算と補正予算を別に保持できるか。流用は科目間・部門間のどちらに対応し、承認を経る設定にできるか。
  3. 執行時の引当:予算残高を減らすのが依頼・発注・検収・支払のどの時点か。取消や金額変更のときに残高がどう戻るか。
  4. 超過時の制御:残高を超える申請を警告にとどめるか、入力を止めるか、承認者の判断に回すか。
  5. 会計との関係:内蔵型なら予算科目と勘定科目の対応、専用型なら連携先の製品名、データ項目、頻度、標準か追加開発か。

よくある質問

財務会計に予算管理があるのに、予算管理専用の製品を使う構成はありますか

あります。Dr.Budgetは、他社会計システムとの連携を想定した発生源Web予算管理システムです。現行の会計システムを使い続けられるか、連携の範囲と方式はどうなるかは、本記事で確認した公式ページには書かれていないため、接続条件を個別に確認することになります。

国立大学法人でも使えますか

5製品のうち、国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人を対象と公式に明記しているのはGrowOne 財務会計(国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)です。財務プロ、TOMAS-PS、GrowOne(私立大学向け)は学校法人会計基準に準拠した私立大学・学校法人向けの製品です。Dr.Budgetは、本記事で確認した公式ページに設置形態別の対象の明記がありません。

まとめ

大学の予算管理システムは、他社会計との連携を想定した専用型(Dr.Budget)と、財務会計に内蔵された予算管理(財務プロ・Web財務、TOMAS-PS、GrowOne 私立大学向け、GrowOne 国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)に分かれます。本記事で確認した公式ページの記載は、予算編成がDr.Budget・財務プロ・Web財務・TOMAS-PS、補正予算の同時管理と予算流用の設定が財務プロ・Web財務、予算を差し引く時点がGrowOne(私立大学向け)と、製品ごとに異なります。予算編成・補正と流用・執行時の引当・超過時の制御・会計との関係の5点を同じ形式で各社に確認すると、公開情報だけでは比べられない部分をそろえて比較できます。

比較表

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全5件(名前順・順位ではありません)

※ 表は横にスクロールできます。

Dr.Budget(発生源Web予算管理システム)、GrowOne 財務会計(国公立大学法人・独立行政法人向け)、GrowOne 財務会計(私立大学向け)、TOMAS-PS(学校法人会計管理システム)、財務プロ(ACOffice)の比較(公式情報に基づく。「確認中」は公式サイトで確認できていない項目)
項目 Dr.Budget(発生源Web予算管理システム) 株式会社エヌ・ビー・ソリューション GrowOne 財務会計(国公立大学法人・独立行政法人向け) 株式会社ニッセイコム GrowOne 財務会計(私立大学向け) 株式会社ニッセイコム TOMAS-PS(学校法人会計管理システム) 株式会社シティアスコム 財務プロ(ACOffice) 株式会社エデュース
基本情報
料金(月額換算)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ(構築期間12か月〜)要問い合わせ(スタンドアロン/クライアントサーバー/クラウド構成)要問い合わせ(年次バージョンアップ込みのライセンス方式)
種類予算管理専用財務会計(国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人向け)財務会計(私立大学・学校法人向け)財務会計(私立大学・学校法人向け)財務会計(私立大学・学校法人向け)
対象の設置形態大学向け予算管理(設置形態別の対象は公式明記なし。提供会社の導入実績に独立行政法人を含む)国立大学法人・公立大学法人・独立行政法人・地方独立行政法人向け私立大学・学校法人向け(学校法人会計基準)私立大学・学校法人向け(学校法人会計基準)私立大学・学校法人向け(学校法人会計基準)
提供形態?確認中?確認中クラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミス
機能・対応
学校法人会計基準に対応 確認中該当なし対応対応対応
新会計基準(2025年4月施行)対応の明記 該当なし該当なし確認中確認中確認中
国立大学法人会計基準に対応 確認中対応該当なし該当なし該当なし
独立行政法人会計基準に対応 確認中対応該当なし該当なし該当なし
研究費・科研費の執行管理 対応対応対応確認中対応
Web申請・電子承認 対応対応対応対応対応
予算編成・執行管理 対応対応対応対応対応
予算編成(申請・査定) 対応確認中確認中確認中対応
予算の補正・流用 確認中確認中確認中確認中対応
執行時の予算引当 確認中確認中対応確認中確認中
予算超過時の制御(警告・停止) 確認中確認中確認中確認中確認中
固定資産管理 該当なし対応確認中対応対応
電子帳簿保存法対応の明記 対応確認中対応対応対応
インボイス制度対応の明記 対応確認中確認中確認中対応
銀行データ連携 該当なし確認中確認中対応確認中
給与・人事システム連携 確認中対応対応対応確認中
複数学校・部門の一元管理 確認中該当なし対応対応対応
所轄庁提出書類の出力 該当なし該当なし確認中対応確認中
Amazonビジネス連携(公式記載) 対応対応確認中確認中対応
契約・導入実績
無料プラン 該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
無料トライアル 該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
法人契約 対応対応対応対応対応
SSO 確認中確認中対応確認中確認中
大学・学校法人の公式導入事例 ありありありありあり
自治体・教育委員会の公式導入事例 なしありなしなしなし

○=公式サイトの記載で確認できた ×=公式に非対応(または無し)と確認できた ? 確認中=公式情報で確認できていない(非対応とは限りません) — 該当なし=その種類のサービスには当てはまらない項目。事例の行は「公式サイトに事例掲載があるか」で、利用実績の有無ではありません。確認日は記事末尾の出典一覧。「確認中」の項目は導入チェックリストでベンダーへの確認項目として書き出せます。

この分野の導入チェックリストを開く(ベンダーへの質問と学内で決める項目。製品を選ぶと未確認項目も表示されます)

出典・参考情報

導入や学内ルール作りの支援(運営会社・初回相談は無料)は導入相談のページをご覧ください。