使い方 議事録AI
私立学校の職員会議で議事録AIを使う手順
私立の小学校・中学校・高校の職員会議や分掌会議で議事録AIを使う手順を、児童生徒の個人情報の扱い、録音の準備、要旨の確認、保存の順に整理します。
この記事の内容
私立の小学校・中学校・高校では、職員会議、学年会、分掌会議、生徒指導や進路に関する会議など、教員が集まる会議が毎週のようにあります。議事録は「若手教員が持ち回りで書く」「書く人によって粒度がばらばら」「そもそも残っていない」という学校も少なくありません。
この記事では、私立学校(学校法人が設置する学校)の職員会議で議事録AIを使う手順を、児童生徒の個人情報の扱いを軸に整理します。公立学校の場合は教育委員会のセキュリティポリシーが適用されるため、この記事の対象は私立学校としています。
結論:児童生徒の個人情報が出る会議は切り分ける
先に結論です。職員会議での議事録AI利用は、会議の種類で使う・使わないを分けることから始めてください。
- 使ってよい会議:行事の運営、校務分掌の連絡、研修の記録など、児童生徒の個人情報がほとんど出ない会議
- 慎重に扱う会議:生徒指導、特別支援、進路、保護者対応など、児童生徒や保護者の個人情報が中心になる会議
後者は、外部サービスに音声を送らない運用(録音しない、またはネットワークに送らない型のツールを使う)を基本にします。
手順1:個人情報の扱いを整理する
私立学校は個人情報保護法上の個人情報取扱事業者にあたり、児童生徒・保護者の情報の取り扱いには利用目的の範囲内での利用が求められます。個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIサービスに個人情報を入力する際、利用目的との整合や、入力情報がサービス側で学習に使われないかの確認を求める注意喚起を出しています。
職員会議に議事録AIを入れる前に、次を決めてください。
- 録音・文字起こしの対象にする会議と、対象外にする会議のリスト
- 使うツールが、入力データをAIの学習に使わないことを公式に明記しているか
- 音声データと文字起こしデータの保存場所・削除時期
なお、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(令和7年3月版)は地方公共団体の教育委員会が対象ですが、学校でのクラウドサービス利用の考え方の参考として、私立学校の情報担当者にも読まれています。
手順2:ツールの選定と法人契約
- 教員個人のスマートフォンアプリや無料アカウントではなく、学校法人として契約したツールを使います。個人契約だと、退職時のデータの扱いや管理者による権限設定ができません
- 校内で使っている会議ツール(Teams・Google Meet など)に標準で文字起こし機能がある場合は、まずそれで運用を試すのが導入コストの面で現実的です
- 職員室の会議は対面が中心なので、対面の会議室の音声を拾える録音方法(会議用マイクやスピーカーフォン)を用意します
ツールの比較は学校法人向け議事録AIの選び方と比較にまとめています。
手順3:教職員への周知と録音のルール
- 職員会議の冒頭で「議事録作成の補助として録音・文字起こしを行う」と宣言し、データの扱いと削除時期を伝えます
- 個人情報が出る議題に入るときは録音を止めます。議題の順番を「録音してよい議題 → 録音を止める議題」の順に組むと運用が楽になります
- 発言前に名乗る、同時に話さないといった進行のルールは、AIの認識精度を上げます
手順4:要旨の確認と保存
- 会議後、議事録AIの文字起こし・要約から、決定事項・担当者・期限を抜き出します。AIの要約は「決まったこと」と「意見」の区別が甘いことがあるので、ここは人の目で確認します
- 学校の議事録フォーマットに流し込み、教頭・事務長など決めた確認者が確認します
- 確定した議事録は、これまでの校内の保存ルール(校務支援システムや文書管理)に従って保存し、議事録AIのクラウド上を正式な保存場所にしません
- 音声データは確定後に削除します
よくある質問
Q. 若手教員の議事録当番をなくせますか? A. 「聞き直して書く」作業はなくなりますが、決定事項の確認と確定は誰かが担当する必要があります。当番制を「確認担当」に変える学校が多いです。
Q. 保護者との面談にも使えますか? A. 面談は保護者・児童生徒の個人情報そのものなので、この記事の「慎重に扱う会議」にあたります。外部サービスへの送信を伴う録音・文字起こしは避け、必要なら法人の個人情報保護方針と保護者の同意を前提に検討してください。
まとめ
私立学校の職員会議で議事録AIを使うときの要点は、「児童生徒の個人情報が出る会議を切り分ける」「法人契約のツールを使う」「AIは下書き、確定は人」の3つです。行事運営や分掌連絡の会議から小さく始めると、教職員の抵抗も少なく定着しやすくなります。
出典・参考情報
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日) (確認日:2026-09-02)
- 文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(令和7年3月版) (確認日:2026-09-02)
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